社会人一年目の頃、色々なことに悩んでいました。
「自分が想像していた仕事と全然違う…」
「毎日サービス残業が多いし、土曜日も出勤しなければいけないなんてブラック企業なんじゃないか?」
「もっと自分では仕事が出来ると思っていたのに、毎日怒られてばかりだ」
「同期はみんな仕事らしい仕事を与えられているのになんで僕はこんなよくわからない誰でもできる雑務をしているんだろう?」
「どこかに周囲を驚かせるような一発逆転出来るスキルはないのか?」
こんなことばかり考えていました。将来への漠然とした不安と自分の仕事の出来なさにイライラする気持ちが頭の中を常に支配していました。
そんな気持ちを解消するために自己啓発本やビジネス書を買い漁り読みまくっていましたが焼け石に水。読み終わった瞬間はなんだか自分がすごく出来るようになった気がするんですが、結果にはなかなか結び付きません。
「こんなに頑張っているのはずなのにどうして結果が出ないんだろう…」
自信がドンドン失われていく毎日を過ごしていました。
そんなある日、出会ったのが今回ご紹介する【「働き方」の教科書】です。この本は元ライフネット生命の社長で現在は立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんが書いた本です。
「働くことって何なんだろう?」ということをロジカルに説明してくれている本です。
僕はこの本にもっと早く出会いたかった!! できればそう、大学の就活の時期に出会っていたらもっと自分の中で働くとはどういうことか? ということがわかった上で働く会社選びができたのに、そんなふうに思いました。
世の中には様々な仕事に対する価値観があります。例えば
「仕事こそ人生のすべて! 一生懸命、身を粉にして働かなければならない」
「これからの時代はライフワークバランスを重視して仕事に人生を捧げるのはナンセンス」
などなど。その価値観が形成されるのは社会からの影響かもしれませんし、親から受け継いだモノかもしれません。もしくは初めて入った会社の”文化”によって決定されるのかもしれません。
僕が社会人一年目の頃に悩んだ原因は「周囲が求める仕事の価値観」と「自分の中の働く価値観」に大きな乖離があったからでした。そのことに気づかせてくれたのはこの本でした。何文か引用すると次の通りです。
・仕事は人生の三割
・人生はトレードオフ
・仕事はプライベートより簡単
・やりたいことは死ぬまでわからない
・人生は九九パーセント失敗する
・部下はみんな「変な人間」である
どれも今まで自分が考えたこともない考え方でした。初めて読んだ時は、出口さんのわかりやすい「働き方の説明」にただただ驚きっぱなしで、読み進めるだけで、心が楽になったのを覚えています。
ただしばらくすると読んだ内容を忘れてまた凹んじゃうんですね笑
そしたら家に帰ってきて思い出したようにこの本をまた手に取りページをめくっていました。そのうち自分が大事だと思ったところに赤線を引くようになりました。
そのせいで今ではこの本を横から見ると手垢で変色し、各ページには赤線だらけになってしまいました笑
この本は七章立てで、二〇代から五〇代までどの様に働くべきかが書かれています。なので未来の僕は多分この先何度も働くことに悩んだらこの本を読み返します
そのたびに自分の中の価値観はアップデートされていくのでしょうし、「自分の中で働き方の価値観の多様性を認められる人間になっていく」そんな気がしています。
令和になって働き方以外でも様々な価値観の多様性が出てきています。そしてそれは新しい価値観が正しいわけではなく、あくまでも一つの選択肢なんです。
旧来の価値観を選択する人も当然いるわけで、新旧の価値観が互いに認めあって存在できることが大事なことだと思っています。
もしあなたが今、働くことに悩んでいるのなら周囲があなたに期待している働き方の価値観とあなたが選択したい働き方の価値観と乖離しているのかもしれません。そんな時は是非この本を読んでみてください。きっとあなただけの働き方の価値観が見つかるはずです。
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