元プロ野球選手、新庄剛志さんの思考法が学べる「わいたこら」

書評

世間一般では自由人と思われている新庄剛志さん。でも裏では色々と悩み、考え努力しているんだということが分かる本です。

この本を読んで一番大事だと感じる部分は彼の思考の部分です。

1つ目は彼が信頼しておカネの管理を任し預けていた人におカネを使い込まれたときのことです。しくじり先生という番組で語ったのが最初のようですが、この話を公表できるまで数年かかったようです。番組内では飄々と語っていたようであまりダメージを受けていないように見えたようですが、本人は未だにその人を許せていないと言っています。

でもその反面、感謝もしているとも言っているんですね。この2段階の考え方が大切なんだと思うんです。

まずは「おカネが無くなって不安だ。これからどうしよう」「どうして俺が稼いだおカネを使い込んだんだ! 許せない!」と自分が感じていることを認めて、変にポジティブに誤魔化していません。最初に自分が感じた感情を素直に見つめているんです。

一般的な自己啓発本だと、「この不幸は何か意味がある」と最初から別の見方をして、自分の感情を誤魔化して我慢しようとします。これを続けていると自分の本当の気持ちに気づけなくなってしまうんです。

そしてちゃんと自分の心と向き合った後に、客観視しています。

「相手も自分の会社を守るため、俺が稼いだおカネを資金繰りに当てたんだろう」とか「メジャー挑戦を一番に応援してくれたのはあの人だった」とか、状況を整理しているんですね。

大きな不幸が巡ってきた時に、まずは自分の感情と素直に向き合う。ちゃんと向き合えたなら客観視するというステップは僕たちも取り入れないといけない思考法だと思いました。

もう1つの新庄剛志さんから学べる思考法は、自分がどんな時に強みを発揮できるかを把握するということです。彼の場合は逆境のなかでこそ力を発揮するタイプのようで、事実そのようになっています。まず野球は一番苦手なスポーツだったけどチャレンジしてプロになったとか、日本での手厚い待遇を蹴ってアメリカメジャーリーグに挑戦したりなどです。そしてその時々で自分なりに分析し仮説を立てて行動していく様はビジネス用語でいう「PDCAサイクルを回す」ということを無意識にやっていたんだと本を読んでいて気付かされました。

世間一般で言う「学歴」による頭がいいではなく、地頭が良いというのはこういう人のことをいうんだと思いました。彼の思考法に興味がある方は是非よんでみてください。

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